2014年09月28日
物語を感じられる帯を制作してみようという事から出来上がった名古屋帯です。
まず、これだけたっぷりの刺繍を刺すためには、地厚で重みのある生地である必要があり、色々な白生地を職人と共に厳選し、程よい重みがありながら、ぼてっとしたもたつきがなく、刺繍を刺す事、締める事どちらの面からもこの斜子織の白生地に決定しました。
まず、地色をほんのり鴇羽色に染め、その上に杵をもった月うさぎ柄を刺繍を施しました。
月うさぎ柄。しかも杵を持っているとなるとお月見とイコールになり10月頃限定と思いがちですが、実はそんなことはありません。
もちろん、お月見を意識したお着物に合わせ、小物を揃えればお月見にお出かけする装いとなりますが月うさぎは縁起のよい柄なのです。
月うさぎは、月の使いで「ツキを呼ぶ」幸せが舞い込んでくる縁起の良い模様とされます。
又、うさぎ柄にはうさぎは前脚が短く後脚が長くて坂を登るのが速い事から、物事がトントン拍子に早くすすむ。うさぎは多産なので、子宝に恵まれる。長い耳は福を集める。など縁起のいい柄なのです。
前柄には、言わずもがなの幸せを呼ぶ打ち出の小槌。不老長寿の果物、厄除け、魔除けの意味がある桃柄と縁起の良い柄満載です。
合わせる小紋や紬、そして小物の色使いで色々なストーリーをお作り頂ける名古屋帯で、ワンランク上のきものライフをお楽しみください。