2015年03月01日
最近は目にすることが少なくなった、古き良き時代のたっぷり刺繍の帯を触れて見て、締めて頂きたいという思いから制作を始めました。
図案は大正時代のお着物に京友禅で描かれていたものから、着想を得て、たっぷり豪華なお花っぱいの花車を中心にバックにさや型、たれに青海波を入れ、他では見る事のない帯の図案を決定しました。
これだけの分量の刺繍を模様全面を敷き詰めるように刺すという事は、ペラペラの生地には到底耐えられることではありません。と言ってあまり重すぎてしまうのも締めづらくなりますので、滑りがよく心地の良い緞子生地を選びました。そして刺繍が浮かび上がるような地色をと言う事と、緞子生地の特有の光沢感とのバランスを考えてこの深みのある色に決定しました。
前柄にはお太鼓の柄とのつながり、又お着物との相性を考えて刺繍で花丸紋を配しています。
柔らか物は全般にお付けいただけます。固い物に関しましてはほっこりとした真綿系の紬を避けて頂き、お色のバランスを見て頂ければお付けいただくことが出来ます。