こだわりの品
2013年03月29日
山下八百子作 綾織 黄八丈
山下八百子さんの織る綾織の黄八丈は、本場黄八丈という認識の以前に、この織物特有の彩色や織の精密さ“存在感”を感じられる織物です。
三丈三尺ほどの長さの中には、どこを見ても同じ色が織り込まれているにもかかわらず、この織物と向き合う時と様々な表情や色の奥行きを見せてくれるので、いつまでも眺めていたくなってしまいます。
黄八丈は、孤島で自生した植物で染色し、手織りで織るという限られた条件の中で織られ、3つの色の構成で彩色印象を表現する織物です。
山下八百子さんが手掛けるこの織物は、八丈島に伝わる伝統的な染織方法で織られています。
黄・鳶・黒という僅かな彩色を精緻なる綾織によって織物の中に溶け込ませていくのです。
山下八百子さんの黄八丈は“黄八丈”の中でも最高級品とされ、他の“黄八丈”に比べ生地はしなやかで、上品な光沢があります。
山下八百子さんは、1984年に東京都指定無形文化財技術保持者に認定されています。